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FitzPeaks NaIを用いた放射線測定(エネルギー校正編)

準備

ソフトウェア: FitzPeaks NaI(リンク

スペクトルデーター
・エネルギー校正用データー
・バックグラウンドデーター
・試料データー

下記に私が取得したデーターを置きましたので、参考にしてください。
zipファイルリンク

収集条件

  • 検出器:BICRON製NaIシンチレーション検出器(シンチレーターサイズ:1.5φx2.25 inch)
  • 電圧:900 V
  • 収集時間:3600 [sec]
  • PRA収集閾値:5 [a.u.]
  • PRA Peak shape:自動
  • Windowsマイクゲイン:40
  • エネルギー校正用線源:JR野崎駅周辺土壌(500ml)、KCL試薬(500g)
  • 試料:JR野崎駅周辺土壌(500ml)

※遮蔽なし環境にてデーター収集

スペクトルデーターパラメーター

  • Number of bins(チャンネル数): 512 [ch]
  • Bin size: 0.2 [a.u.]
  • Min: 0 [a.u.]
  • Max: 200 [a.u]

手順

1. PRAデーター読み込み設定変更

PRAで作成したスペクトルデーターを読み込むため “Set-Up”をクリックして、下記の通り設定を変更します。

Generalタブ

  • Spectrum File Type: Text File
  • Header Lines: 1
  • Channels per Line: 1

また、マウスカーソルが自動的に移動してしまうのが気になる方は、下記設定を変更します。

Interactiveタブ
Move Mouse cursor: チェックボックスをOFFに変更する。

2. バックグラウンドデーター読み込み・登録

FitzPeaks NaIは、スペクトルデーターをデーターベースに登録して解析を行うことができます。

最初に、バックグラウンドデーターを読み込み・データーベース登録、そしてバックグラウンドデーターとして解析に用いる設定方法を説明します。

2-1. 設定変更

Generalタブ内にある“Default Detector file Number”を”0”にします。
FitzPeaks NaIは複数種類の検出器の構成を番号で管理します。
校正作業を行う際は“0”として作業を進める必要があります。

2-2. データー読み込み

スペクトルデーターの読み込みを行うと、下記に示す表示になります。

2-3. 登録事項入力

メニューの“Edit”をクリックして収集データーの編集を行います。

Spectrum Title: 任意のタイトル
Live Time: 収集時間
その他項目についても必要に応じて編集を行います。

2-4. データーベースに登録

“File”→“Save current Spectrum”をクリックし、保存します。
FitzPeaks NaIはスペクトルデーターをデフォルトで“Spectra”フォルダーに“*.dat”形式で管理します。
登録したスペクトルデーターは
“File”→“List Spectrum data files”をクリックすると一覧することができ、後で処理をすることができます。

3. エネルギー校正用データー読み込み・登録

バックグラウンドデーター登録が完了したら、次はエネルギー校正用スペクトルデーター読み込み・登録を行います。方法はバックグラウンドデーターと同じです。

4. エネルギー校正用設定ファイル編集

初めにどのエネルギーで校正を行うかを設定するファイルを編集します。
エネルギー校正設定ファイルは、アプリケーションと同じ階層に存在しており、デフォルトでは“NPLSTD.ENC”、“QCY.ENC”、“Standard.enc”の三種類が用意されています。
今回のエネルギー校正は、Cs-137(134)の795.760 keVおよびK-40の1460.800 keVの2点のみ行うので、上記ファイルを編集して新たに自分用のエネルギー校正用設定ファイルを作成することにします。
“Standard.enc“ファイルをコピーしてファイル名を”basama.enc“に変更→メモ帳でファイルを開き、下記の通り入力します。

5. エネルギー校正

5-1. ピーク検出&ピーク編集

エネルギー校正を行うピーク検出を行います。
“Analyse”→“Peak search”をクリックします。


上のスペクトル表示は、“YScale”→“Sqrt”を選択して全体のピークを見やすくしています。
この例では、合計6本のピークが検出されました。

ピーク編集

今回エネルギー校正を行うピーク値は、795.760 keVおよび1460.800 keVの2本ですので、不必要なピークを除外することにします。

上図に示す通り、ウィンドウ右側のピークを示す数値を選択し、
“Peak”→“Remove Peak”を選択します。
確認ダイアログが表示されますので、“OK”ボタンをクリックして削除してください。
この操作を、不必要なピークの分だけ繰り返して操作してください。
最終的なピークを下記に示します。


5-2. エネルギー校正

検出されたピークの存在するChとエネルギーの対応付けを行います。

“Calibrate”→“Energy”をクリックします。
“Repeat the Peak Search?“とメッセージが表示されますが、ここは”No“ボタンをクリックします。

すると、次にエネルギー校正用ファイルの選択ウィンドウが表示されますので、先ほど編集して作成したファイル(例:basama.enc)を選択します。

エネルギー校正用ファイルの読み込みが完了すると、上図に示す画面に切り替わります。

この例では、
Ch No. 289.0→795.76 keV
Ch No. 488.7→1460.80 keV
になりました。
“OK”ボタンをクリックして適応してください。

5-3. エネルギー校正保存

一旦ここまでの校正情報を保存します。
“File”→“Save Calibration”をクリックします。
すると、“Save Detector Calibration File”ウィンドウが表示されます。
校正情報は、検出器ごとに保存されます。
検出器の管理は、「2-1. 設定変更」で少し説明しましたが、検出器番号で分けられています。
したがって、ここで保存するファイル名は
Det_xx.cal(xxは01から始まる数字)
として保存する必要があります。
今回は、“Det_02.cal”として保存します。
(Det_01.calは最初から保存されているファイルなので一応残しておきました。)

5-4. 参考:定期的なエネルギー校正(確認校正)について

放射線測定装置は、シンチレーションやPMTの劣化などの影響により、徐々に特性が変化します。
そのため、定期的な校正(確認校正)を行う必要があります。
そこで、このソフトウェアは確認校正を簡便に行うための機能を備えています。
“Calibrate”→“Auto Energy Re-Calibration”を選択するとおこなうことができます。

エネルギー校正については以上です。
核種同定編に続きます。

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カテゴリー:放射線測定
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