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NaIシンチレーション サーベイメータの作成
3月のブログに紹介したサーベイメータの詳細を報告します。
サーベイメータはその名の通り、目に見えない放射線(放射能物質)を調査(survey)するための装置です。
どこが汚染されているのかを即座に検出する必要があるため、計数率が高い検出器が必要です。
今回作成したサーベイメータは、1 inchのNaI(Tl)シンレーション+PMT(GX-1)を利用しました。
外観
自作部分は、下記写真に写っているiPhoneの下にある高電圧発生装置およびパルス増幅アンプ部分です。
下記に分解した写真を示します。
高電圧回路はラジオペンチさんのHPを真似させて頂きました。わたしも同じように、写ルンですのトランスを流用して作成しました。
アンプ部はGS-1100Aと同じ構成にしました。
(処女作なもので、回路図ははずかしくて掲載できません。すみません。)
ケースは、どこかで見覚えがあるようなケースです(笑)、タカチのプラスチックケースを選びました。
iPhoneは安価なiPhone用カバーを使って固定しました。
電源はエネループ2本で、大体3~4時間くらいは持つと思います。
使用ソフトウェア
検出したパルスはiPhoneにインストールしたフリーソフトを用いて放射線量を測定します。
放射線を測定するためのAppはいくつか試しましたが一番おすすめするのは”ガイガーボット”です。
cpm、Sv/hはもちろんのことGPSを用いたロギングが可能なため、放射線Mapを作成する際に非常に威力を発揮します。
簡易的な校正方法
計測されたcpmから空間線量(Sv/h)に変換するためには、空間線量校正用線源が必要です。
しかし、校正用線源は非常に高価なため、”エアカウンター”を用いて簡易的に校正を行いました。
(なお、ガイガーボットはエネルギー補償する機能が無いので市販されているシンチレーション式線量計と比較すると精度が劣ると考えられます。)
1. 少なくとも、比較的空間線量の高い場所と低い室内などの2箇所にて、エアカウンターで空間線量を測定、また同時にその時のサーベイメータのcpsを記録します。
2.前項で測定した値を元に換算係数を求めます。
上記より、換算係数=37094.32、オフセット=304.22と算出できました。
その値をガイガーボットの設定項目に入力します。